期の最初に目標を立て、達成度に応じて賞与が出る、昇級がある成果主義を単純に言えば、ざっとこんな図式になるが、若い社員が今ひとつ燃えない。
若い社員は一方的に成果を求められ、競争を課されるが、評価する側である上司は、すでに年功序列制度のもとで既得権を得てしまった世代である。
成果主義の名を借りた「若年層絞り」に問題があると、著者のJさんは指摘する。
私も新聞社時代、目標を申告書に書き、半期ごとに成果を査定されたことがあるし、査定する側にまわったこともある。
その経験から一言えるのは、「目標」という代物は具体化がつかいだし、まして記者のような仕事は数値化もしにくかった。
それでも、目標を高く置けば、人をがんばる気にさせるのかもしれない。
だが、その恩恵にあずかれる人は、やはり一握りにすぎないのだと思う。
成果主義とは、仕事に成果が出せない人、意欲が低い人は厚い処遇はしません、と宣言しているようなものだと思えばいい。
その意味では、人件費を抑制する手法でしかない。
正社員は多忙すぎる半面、賃金面でもかつてほどの厚遇は受けない。
そんな実態を、若い世代はよく見抜いている。
豊かな時代を生きる彼らは、だからこそ、青春の一時期、フリーターを選択したいと考える。
正社員になっても、フリーターになっても、夢が持ちにくいのが現状なのである。
東京・西新宿にある労働組合、東京ユニオンに、毎月一回、午後六時過ぎくらいから派遣で働く人たちが集まってくる。
職場での悩みを打ち明け、どう解決したらいいか、集まった人たちが意見を出しあう。
悩みの種類もさまざまだが、東京ユニオン書記長のS、Sさん(全国ユニオン副事務局長兼務)や同ユニオンのスタッフも適切なアドバイスをおこなう。
参加者は、発言することで、ストレスも発散する。
某日、口火を切ったのは男性の派遣社員だった。
正社員から派遣社員に転じて半年というこの四○代男性M夫の悩みは、派遣社員どうしの意思疎通のむずかしさだった。
話を聞くと、様子はこんなふうだったM夫を含め、六人の派遣社員が、派遣先で働いている。
派遣先の上司である課長は、四○代の女性だった。
同年代ということもあって、わけへだてなくつき合ってくれる。
まずは派遣社員、ほかにパートタイマー、アルバイト、契約社員、請負社員、業務請負(個人事業主)、再雇用の女性や高齢者。
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